かわさき屋店主の日記

稀勢の里の引退に想う

こんにちは

ただただお疲れ様でした かわさき屋店主 川﨑です。

稀勢の里という力士、私が一言で表現するとすれば、大相撲史上、最もファンの期待を裏切った力士。

私がこの力士を認識した最初のきっかけは、2004年に、17歳9か月という、横綱貴乃花に次ぐ年少記録で十両に昇進したときでした。突き押しが強烈で、馬力のある相撲が持ち味。その後あっという間に幕内に昇進し、三賞・金星・三役など、歴代上位の年少記録で達成。当時絶頂期の横綱朝青龍に対しても、一気の突き押しで土俵からはじき出したりと、白鵬と共に、次代を背負う力士として、好角家から期待されてました。私、貴乃花の大ファンだったんですが、2003年に横綱貴乃花が引退して何となく相撲を見ていた時に、『次はこいつしかいない!!』と、非常に興奮したのを覚えています。それからかれこれ15年、稀勢の里をずっと応援してきました。

しかし、そこから彼の苦難がスタート。

三役に定着できない。変なところで取りこぼす。上位で大勝ちしたかと思えば、次の場所では負け越す。そして、極端に苦手な力士がいる。琴欧州や把瑠都、碧山など、パワー系の外国人力士には、全くといっていいほど勝てませんでした。ファンからの期待は大きく、でも期待には応えられず。それでも、横綱相手に圧倒するような相撲をたまに見せてくれる。有名な一番が、白鵬の連勝を止めた一番。2010年九州場所の二日目だったと記憶していますが。豪快な突き押しから、激しい相撲で白鵬を寄り切る。youtubeで改めて見ても、白鵬の動き、負け相撲だけどもキレッキレ。この一番で、稀勢の里の好角家からの期待、一気に高まったと記憶しています。

そこから2012年の大関とり。しかし、大関とりの場所も彼らしいというか…。10勝、12勝ときて、11勝すれば文句なしの大関昇進。千秋楽を10-4でむかえ、対するは、先場所大関昇進したライバル琴奨菊。そして見事敗戦と、見事にファンの期待を裏切ってくれます。大関に昇進してからもファンの期待を裏切り続ける。大関31場所で、優勝したのは横綱昇進した一場所だけ。あとは惜しいところまで行っても直前で優勝を逃す。優勝次点、数えること12回。メンタルが非常に弱いといわれていました。見ていて『もうちょっとどうにかならないかなー』って感じの相撲が多かった。ただ、何度裏切られても応援したくなる魅力に溢れた力士でした。

大関時代も、31場所中優勝1場所ですが、カド番1度。一桁勝利は年に一度あるかないかという圧倒的な安定感。優勝に手が届きそうな星数も、13勝6回、12勝3回と、優勝できないの、呪われているんじゃないかと思うくらい良い成績を何度も上げていました。そして、白鵬の天敵といわれるほどの白鵬との熱戦。要所要所で白鵬の連勝を止めたり、左の押っつけだけで白鵬を吹っ飛ばしたりと、時折見せる圧倒的な相撲が非常に良い。正直、数字だけで見たら、日馬富士のほうが白鵬に対して合口がいいんですよ。それでも、諸般の事情があり、やはり白鵬のライバルは稀勢の里であるという認識は、好角家の中では一般的でした。特に、2015年の一年間の相撲は、死闘と呼ぶにふさわしい一番ばかりでした。モンゴル3横綱に唯一対抗できる日本人力士。常に真っ向勝負。力でぶつかる稀勢の里の相撲は、毎日楽しみで、毎日ヒヤヒヤで、毎日アツくなる。

期待を裏切るということは、逆に言えば常に期待され続ける実力・魅力がなければできないこと。稀勢の里は、実力・魅力共に、本当に引き付けられるものを持っている力士でした。実力にふさわしい結果が出ない。脆いメンタルを、角界有数といわれる猛稽古で何とかカバーしようともがくも、史上最強力士の呼び声高い白鵬に、何度もはじき返される。そして、最高の結果でファンの期待にやっと応えてくれた、初優勝での横綱昇進。そして連覇。そして致命的な大怪我。左が生命線の稀勢の里にとって、左の上腕筋、大胸筋の断裂はアウトでした。その後、一度も活躍することなく、本日の引退劇となりました。

今まで、ここまで感情移入して応援したプロスポーツ選手いませんでしたし、これからも出てこないんじゃないかな。

稀勢の里関、お疲れさまでした。そして、本当にありがとうございました。

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かわさき屋店主-かわさきゆうき

かわさき屋店主
川﨑勇樹

かわさき屋店主-プロフィール

かわさき屋(株)代表取締役
1979年宮崎県宮崎市佐土原町生まれ。
学生時分から食に興味があり、県外での会社員を経て宮崎の食関連企業に就職。宮崎の魅力ある食材を自分の手で全国に、いずれは海外に紹介していきたいと思うようになり、かわさき屋を立ち上げました。好きなもの/食べ歩き、温泉、芋焼酎・日本酒。趣味/料理と筋トレ。家族構成/妻と息子、娘2人の5人暮らし。