• 大相撲九州場所および平成30年大相撲雑感

    こんにちは 今年の相撲も終わってしまいました かわさき屋店主 川崎です。 さて、三横綱がそろって休場、大関豪栄道も休場と、先場所とはうってかわって寂しい場所になりましたが、本場所の雑感と、今年を振り返った上で、来年の相撲界を予想してみたいと思います。 1. 貴景勝と高安の優勝争い 今場所はこれにつきますね14日目の直接対決。高安が意地を見せ、千秋楽まで優勝決定が持ち越し。両者勝っての決定戦に期待していたんですが、貴景勝勝利後、高安まさかの御嶽海に土をつけられる相撲。御嶽海、調子悪かったんですが、完全に高安対策掴んでますね。貴景勝、何が強いかって、得意の突き押し相撲に徹し、15日間廻しをいっぺんも取られなかった事につきますね。身長が低く、手も短い、凡そ相撲に向いていない体。その体を最大限に生かし、冷静な突き押し相撲に徹するその姿勢が優勝を呼んだんじゃないでしょうか。御嶽海戦は完敗でしたが、高安戦は勝ち急ぎましたね。それにしても、1横綱3大関を倒し、13勝での優勝は立派だと思います。対して高安。私は千秋楽、突き押しで行くべきだと思っていました。御嶽海、体当たりから組み止める相撲、完全につかんでましたからね。前2場所、右から押っ付けての攻めで、完全に相撲で勝っていたと感じていました。高安、初優勝目前でするりと優勝が逃げちゃいましたね。今回の悔しさをバネに、また優勝目指してほしいですね。

    2. 稀勢の里

    そしてもう一つ。5連敗で休場に追い込まれた稀勢の里。やはり大胸筋断裂の影響は大きいと言わざるを得ません。はっきり言って、見るのも痛々しい相撲の連続。若いときからの腰高を克服できなかったツケ、ここにきて手痛い支払いをしている感じ。正直、私には稀勢の里復活のビジョン、全く浮かびません。大ファンだからこそ、この凋落が悲しくて仕方ない。横綱審議委員会も、来場所での進退と明言しました。僅かな可能性に期待したいと思いますが…。

    3. その他の力士と来年の展望

    その他の力士、特筆すべきは阿武咲でしょうか。まだ足のケガ、完治はもう少しかかりそうですが、下の番付で11勝は合格点でしょうね。足をきっちり治して、上で再び勝てるようになれば、再度大関候補に名乗りを挙げられるんじゃないでしょうか。そして、世代交代の波、来年一気に来そうな予感が。今場所優勝の貴景勝、先場所9勝なんで、来場所11勝すれば大関の声も上がりそう。22歳4か月での優勝は、歴代6位の若さ。初土俵から26場所での優勝は、歴代4位のスピード記録と、非常に素晴らしい記録です。3横綱と高安以外の大関、非常に不安定ですので、これから一気に角界の中心になりそう。そして、個人的には貴景勝よりも評価が高い阿武咲。差しても相撲が取れる分、貴景勝よりも相撲の幅が広い力士です。個人的には、次代の大関、この二人が最も近いと感じています。対して、大卒力士は伸び悩んでますね。優勝がフロックとみられている御嶽海。他にも正代・北勝富士・朝乃山・豊山。下手すると、三役でボチボチ活躍するだけで終わる力士になるかも。そして幕下。朝青龍の甥、豊昇龍の勢いがすごい。同期入門の、大鵬の孫で話題の納谷と比べ、開花が一足早いかも。そしてもう一人、琴手計。この三人、近いうち、幕内で大暴れするかも。個人的に注目です。

    来年は大きく動きそうな大相撲。一月を楽しみに待ちたいと思います。