• 大相撲夏場所雑感

    こんにちは

    時代の移り変わりを感じます かわさき屋店主 川﨑です。

    さて、アメリカ トランプ大統領の千秋楽観戦が話題となった、令和はじめての大相撲本場所。予想外というか、予想通りというか、大波乱の幕切れとなりました。川崎の雑感を織り交ぜながら、ちょっとどんな場所だったか書いてみたいと思います。

    1. 優勝争い

    まさかまさかの平幕朝乃山初優勝。幕内若手力士、大関貴景勝を中心に、御嶽海・北勝富士・阿武咲・正代などがいますが、朝乃山のみが四つ相撲を得意とする、所謂正統派の力士です。突き押し相撲は勢いがありますが、四つのほうが安定感があるといわれています。突き押しで大関になった平成の力士と言えば、曙 武蔵丸 千代大海。横綱になった前の2力士は、途中から四つの力士へと転向。突き押しに徹した千代大海は、横綱になれなかった歴史が。今回優勝した朝乃山、四つの力士ということで、次代を担う期待が上がっていますが…。詳しくは後述するとして、朝乃山は文句なし頑張りました。キレのある、素晴らしい相撲を15日間取りました。しかし、三役以上、8人いるうち、当たったのは僅か3名のみ。栃ノ心との相撲も、結果白星ですが、かなり疑問が残る裁定。なお、三役経験のない力士の優勝は、元横綱佐田の山以来。さて、朝乃山は、佐田の山の再来となるか。注目です。

    2. 上位陣総崩れ

    注目の大関貴景勝は、足のケガで途中休場。横綱鶴竜は、やはり予想通り後半崩れ、4敗。大関豪栄道と高安は、全く優勝争いに絡めない等、酷い結果となりました。特に残念なのは高安。どうも、立ち合いのカチあげ、威力が弱まったような…。栃ノ心も、9-1の星勘定から、緊張からかまさかの3連敗。鶴竜相手に変化で勝って、何とか大関復帰をものにしたものの、来場所からは不安が残る内容に。逸ノ城も、先場所の14勝がウソのような、いつもの攻めの遅い逸ノ城に逆戻り。三役以上が全く締まらない、なんとも残念な場所になってしまいました。まぁ、裏を返せばこの状態、、上の世代が衰えてきている証左。ただ、残念なことに、下の成長が追い付いていないのが現実。下の成長については後述。

    3. 幕内若手力士の今後

    朝乃山についてはもうちょっとここで。注目されている若手の中では、差して相撲とるのは正代と朝乃山のみ。しかし、私見ですが、朝乃山の優勝、審判部のミスの様な気が。もっと早い段階で三役力士とあてておけば、こんなにも疑問符が付くようなことはなかったと思います。例えば先場所の逸ノ城。横綱戦こそなかったものの、大関以下の力士とはすべて当たっていたような。まぁ、彼は4枚目だったこともありますが。こんな感じの編成にできなかったこと、好角家として、今後改善していただきたいなと。それと貴景勝。大関昇進の翌場所に、いきなり試練の場所を迎えるという悲惨なことに、ひざの状況がわからないと何とも言えないものの、早く治して来場所暴れてほしいものです。同級生の阿武咲も、勝ち越しはしたものの、物足りない成績。怪我が完治していないのか、叩かれる場面が目立ちました。大関以上を狙える器だと思いますので、もっと頑張ってほしいですね。御嶽海はいつもンギリギリ勝ち越し。北勝富士もギリギリ負け越し。逆に今場所存在感を示したのが、突き押しが印象的な阿炎。師匠の、元小結寺尾を彷彿とさせる相撲で、上位陣総当たりにも関わらず、見事二桁勝利。高卒たたき上げの力士の活躍は何となく、これからに期待してしまいます。

    4. 十両以下

    十両優勝貴源治 幕下優勝貴乃富士と、双子の兄弟がそろって優勝。特に貴源治、今まで十両で2年近く足踏みしていましたが、十両上位で1敗は、何か一皮むけた感がありますね。彼は、四つ相撲から突き押しに転向した力士。今場所、数番見てみましたが、四つ相撲、かなりいい感じに仕上がっている気が。こういうタイプ、一気に番付駆けあがったりするんですよねー。大型で、張っても組んでも相撲が取れる、稀勢の里タイプの力士になると面白いかなと。あとは、以前から注目していた幕下以下の力士。琴鎌谷は来場所十両が濃厚に。そして、豊昇龍、琴手計、納谷、塚原が揃って幕下10枚目以内になるんじゃないかな。特に納谷。二場所連続優勝力士に敗れたものの、連続6勝は見事。サラブレッドの豊昇龍と納谷は、来場所好成績を収め、十両昇進となると、元横綱朝青龍のスピード昇進記録に並びます。来場所の幕下上位、見逃せません。

    さて、下から雨後の筍のように、若手がぐいぐい出てきている印象の大相撲。来場所も楽しみにしたいと思います。