• 大相撲大阪場所雑感

    こんにちは

    平成最後の本場所が終わりました かわさき屋店主 川﨑です。

    さて、大阪場所、平成の最後にふさわしいドラマが生まれました。いくつかに分けて振り返ってみたいなと。

    1. 白鵬全勝優勝

    白鵬42回目の優勝。42回の優勝って、信じられないくらいの数。どのくらい凄いかというと、元関脇のベテラン、栃煌山の勝ち越しが概ね40場所。元大関のベテラン、琴奨菊の勝ち越しが54場所。元関脇の隠岐の海と勢は、29回と20回の勝ち越し。長くやっているベテランでも、42場所の勝ち越しすら困難。全勝優勝の回数も15回目と、それだけの数優勝するのも困難な数字。こいつ、本当に人間?ってレベルの記録ですね。白鵬、間違いなく衰えています。鋭い立ち合いは影をひそめ、今場所も、平幕力士に追いつめられること多数。それでも、多彩な取り口と天性の勝負勘で白星を積み重ねていき、気づけば全勝で幕を閉じました。体調が万全であれば、まだ十分に優勝できるところを見せつけた場所でした。今後も、もしかすると50回に優勝が届くかも…。と思っていた矢先の右上腕部に深刻な怪我の報道。稀勢の里の例もあります。怪我の状況、心配ですね。

    2. 貴景勝と栃ノ心の明暗。

    今場所最大の注目点といえば、貴景勝の大関昇進でした。13勝で優勝、先場所11勝ときて、二桁勝てば大関昇進といわれていました。迎えた千秋楽、9勝4敗で、相手は7勝7敗、角番大関栃ノ心。勝ったほうが来場所大関、負けたら関脇と、非常に痺れる大一番。結果は、突き押しで貴景勝が圧倒して、大関昇進をほぼ確実なものにしました。四つ相撲が致命的に向いていないということで、突き押しに徹した結果、見事若干22歳での大関昇進を手にすることができました。平成の次の時代を、新大関で迎えるという、相撲界の新しい時代の到来を予感させる結果となりました。貴景勝には、さらに上目指して頑張ってほしいものです。そして栃ノ心、来場所は10勝できれば大関復帰。最近は怪我が多く、二桁厳しいかもしれませんが、果たして。

    3. そのほかの力士

    やはり逸ノ城に言及しないわけにはいかないでしょう。14勝というのは立派の一言。千秋楽最後の一番まで優勝争いをもつれさせた功績は計り知れません。ただ、惜しむらくは、横綱との取り組みがなかったことでしょうか。2横綱と小結一人と対戦がなく、上位陣総当たりとは言えません。しかし、2大関と貴景勝を下したのは立派の一言。来場所は三役確定だと思いますが、貴景勝の次の大関に一番近いのはこの人かも。逆に、昨場所優勝の玉鷲は全く振るいませんでしたね。そして、貴景勝以外の期待の若手も期待外れ。勝ち越したのは阿炎のみ。大卒若手は御嶽海はじめみんな負け越しましたし、阿武咲も怪我が治りきらず負け越し。大卒力士は大成しないといいますが、その言葉通りになりそうな…。来場所以降の奮起に期待したいところです。

    4. 十両以下の胎動

    21歳貴源治、来場所幕内昇進の可能性が。191㎝と大柄な力士で、将来が嘱望されています。幕下も、勝手に19歳カルテットと呼んでいる豊昇龍・琴手計・塚原・納谷そろって勝ち越し。納谷は13日目に負け越して優勝逃しましたが、6勝は立派。もしかすると一皮むけたかな?豊昇龍は7枚目で勝ち越しなので、来場所は3枚目以内に昇進しそう。来場所勝ち越すことができれば、叔父の朝青龍の9場所を抜き、8場所での関取昇進になるかも。この4人に加え、来場所関取昇進がかかる21歳琴鎌谷。この5人、いずれも190㎝前後と、かなり体格に恵まれています(豊昇龍も186㎝)。大関昇進を決めた貴景勝は175㎝、同期の阿武咲は177㎝と、この二人を脅かす可能性は十分。次の時代の大横綱、この5人の中の誰かが鳴る可能性、私は非常に高いと見ていますが、果たして。

    平成の大相撲は、貴乃花から始まり、朝青龍・白鵬と次代を作ってきました。次の時代の大相撲、誰が担うことになるのは楽しみです。