• 平成29年度切干大根作柄について

    こんにちは

    状況把握は重要 かわさき屋店主 川﨑です。

    さて、標記の件。現在、かわさき屋で出荷している切干大根は、つい先ほどの12~3月で収穫されたもの。つまりは、平成30年度収穫の切干大根です。宮崎県は、収穫があった翌々年に、その年の面積・総収穫量の統計を出します。というわけで、直近三カ年の切干大根の終了と、収穫面積のデータ、ならびに、今後の傾向を推察してみたいと思います。

    平成27年度 404ha 1,764t 850円/㎏

    平成28年度  397ha 2,249t 1,050円/㎏

    平成29年度 395ha 1,804t 940円/㎏

    以上が、宮崎県の統計データになります。㎏あたりの価格については、川崎がなんとなーく実感した、生産者直接買い取りに平均金額(参考値)だと思っていただければ。平成27年度は、全体的に高温多雨で、大根はそれなりでしたが、シーズン中に切干大根への加工ができなかった年。平成28年度は、9月10月に大きな台風が来たものの、11月天気が良かった年。平成29年度は、28年度同様、秋に台風が来た上、かなり寒く、大根が大きくならなかった年。

    平成29年度、概ね450㎏/10a と、ちょい不作程度の作柄だったのかなと感じます。確か、11月から低温+冷たい風が吹きまくり、量はともかく、質は非常に高い切干大根が取れた年になったと感じました。大根の作柄の割に、そこまで収穫量が壊滅的にならなかったのは、おそらく、冬の天気が良く、大根をほとんど切干大根に加工できたからではないかと思います。多分、大根が大きくなるかどうかより、冬に乾いた西風がしっかり吹くかどうかが、作柄の良しあしに関わる重要なファクターじゃないかなと。

    そして重要なのは、ここ3年間、生産面積が微減で済んでいること。多分、平成30年度もほぼ同等の耕作面積だと思います。最大要因は、切干大根が稼げる作物になってきているから。10年くらい前までは、20万円/10a 稼げれば御の字というのが、切干大根瀬さんに対する、生産者の皆様の認識だったのではと思います。ところが現在、特にここ4年、計算値による推測で、売上高35万円/10a を下回ることはほぼありません。じゃあ逆になぜ、切干大根の生産農家は増えないのか。それはもちろん、農業人口の減少が最大要因です。そして、切干大根自体、生産が非常に大変な作物だから。

    ただ、確実に言えることは、皆様が美味しく召し上がってくださるからこそ、切干大根生産者も、再生産可能なレベルでの生産ができています。そしてきっと、この路線を継続することができれば、後継問題も少しずつ解決していくのではないかと期待もしています。

    切干大根だけでなく、その他色々な農作物について、生産現場と消費の現場を繋げる役割を、かわさき屋、になっていると自負しています。農業生産の持続的な発展を維持していき、ひいては、地元宮崎の発展に繋げていく。今後もそんな仕事をしていきたいと思います。