• 気象災害と農業

    こんにちは。
    最近は天気がおかしいですね かわさき屋店主 川崎です。

    切り干し大根、3年前くらいから生産量に異常が出ています。ということで、一昨年、昨年と、二年連続で価格が上昇しています。概ね、3年前と比較して、切り干し大根の価格、小売りベースで50%くらい上昇しているのではないでしょうか。今秋から今冬、天気が良くて切り干し大根の趨勢も回復してくれれば、またお買い求めいただきやすい価格に戻せると思うのですが…。まぁ、予断でお話をするのはこの辺までで。

    さて、昨日、東北地方から北海道にかけて猛威を振るった台風10号、いまだニュースを賑わせています。正直、台風慣れしている九州民からすると、なぜあの程度の規模の台風で?となるかもしれませんが、ニュースなどから状況を紐解くと、災害頻度とそれに対するインフラ整備の観点から、ああなるのも納得な状況なんだろうと。
    そして早速、農作物へのダメージの報道も。

    http://ur2.link/yasT

    といったところで、たぶん私たちの生活に大きくかかわってくるであろう点、じゃがいもが大ダメージを受けているようです。また、スイートコーンもですが、甜菜なんかは、こだわって加工品を作る、中小零細の食品加工業者にとっては、非常に大きなダメージになるんじゃないでしょうか。

    切り干し大根におきましても、一昨年は、播種の時期に台風が連発したために、芽が出なくなって、最終的に例年の6割程度の生産量になりました。昨年は、エルニーニョ現象からくる暖冬で、冬場雨が多く、大根を干し切らず、やはり例年の7割程度の生産に落ち着いてしまったという状況でした。なんとなくですが、ここ数年、いろいろな作物が高くなっているという報道を耳にします。
    生産現場の傍らで仕事していて思うことは、今の状況が常態化すると、『安価で国産作物が手に入る時代は終わる』可能性があるということです。気象の不安定化に加え、生産者の減少も全国的に起こり、もはや安定的な供給体制は維持できないのではという懸念があります。

    気象に関しては、個々の力ではどうしようもありません。しかし、生産者数の確保に関しては、私たち流通業者、そして、消費者の皆様の理解で、何とかなる点もあるかと思います。政策面で、農業所得を増やそうという取り組みが活発に議論されています。かわさき屋といたしましても、流通コストの削減・小売り現場での展示の提案などから、微力ではありますが、全力を尽くして、安定的な生産現場の確保に努めたいと思います。