• 農作物と工業製品の違い

    こんにちは

    切干大根生産のシーズンも終わりを迎えようとしていますね。 かわさき屋店主 川崎です。

    さてさて、今回はタイトル通り、農作物と工業製品の違いを、皆様に対して言い訳のように述べてみようかと思います。これら2つを、わたくしたち業者側の視点から述べることにより。お客様方にも私たちの苦悩を分かち合っていただきたいなーと思います。

    まず第一に、品質が不安定であること。

    工業製品は、Aという物質5と Bという物質5 合わせるとCという物質が10 できる という方式があれば、だいたいいつでもどこにいても同等のものが作れます。ところが農作物、Dという種をまいて、Eという肥料をまく できてくるものの品質はバラバラです。理由は、品質に関わってくる要素が工業製品と違って圧倒的に安定していないからです。土の質や天候がその要因ですが、ほとんど条件の変わらないはずの同一圃場でも同じ品質のものはできません。極端な話、同じ株や同じ木になっているものでも品質が変わってきます。となると、供給者サイドとしては平均的に良いものを集める努力しかできないわけであります。

    そしてもう一つ スケールメリットがあまりない。むしろデメリット。

    工業製品だったとしたら、量目を買えば買うほど安価で入手できます。①工場稼働率の向上による原価償却率の向上 ②輸送費節約によるコスト上のメリットが生まれること ③原料購入に関しても安価で入手できます。しかし農作物はそうはいきません。例えば切干大根。弊社が前年度10tの取り扱いだったものが、新たな市場を開拓して今年度100tになったとします。そうすると、①と②に関するメリットの享受はありますが、③にかんしては、短期的視点で見ると圧倒的なデメリットとなってしまいます。供給量は限られてくるため、現在あるパイの取り合いになってしまい、逆に価格が高騰してしまう状況が生まれてしまうためです。そうすると、①と②で享受されたメリットを補って余りあるデメリットとなってしまいます。長期的には生産者が増えて安定すると思いますが、しばらくは消費者の方々には我慢していただく状況が続いてしまうと思います。

    弊社といたしましては、安定した品質のものを、安定した価格で一年間通じて提供できる努力をしています。皆様にかわさき屋の商品を変わらず毎日ご提供できるよう尽力してまいる所存でございます。