• 大相撲初場所総括

    こんにちは

    稀勢の里の優勝に喜びを隠せません かわさき屋店主 川崎です。

    さて、いろんな意味で分岐点となったであろう、今場所を総括してみたいと思います。

    1.稀勢の里優勝

    今場所、上位陣が軒並みケガで脱落していく中、最後までトップを走り続けた稀勢の里が優勝。優勝インタビューの時の涙に感動した人も多かったと思います。解説者が、稀勢の里の精神が強くなったから優勝できたと言っていましたが、私の見方は少し違います。怪我に強く、好不調の波がないことが彼の特徴。今場所、他の力士がけがや不調に苦しむ中、いつも通りの相撲を取ったのが、優勝の最大の要因だったと思います。しかし、琴奨菊が優勝した時、久々の日本出身力士優勝と話題になりました。豪栄道全勝優勝の時、久々の日本人力士の綱とりかと話題になりました。でも、多分、多くの好角家は、日本人力士の優勝や、日本人力士の横綱が見たかったわけではなく、稀勢の里の優勝、綱とりが見たかったんだとおもいます。萩原から稀勢の里にしこ名を変えて12年。彼の努力に、心の底から敬意をはらいたいと思います。

    2.上位陣総崩れ

    さて、稀勢の里を除く横綱大関陣、全滅でした。皆勤した二人の大関は大きく負け越し。日馬富士は怪我。鶴竜も怪我ということになっていますが、事実上の強制休場でしょう。豪栄道も勝ち越しはしたものの、途中休場。白鵬は何とか11勝。仕事をしたのは白鵬だけといっていい状況でした。そして、14日目と千秋楽を見ても、白鵬の衰えを強く感じます。千秋楽の相撲、あれ、実は、速攻相撲は白鵬の、対稀勢の里の必勝法だったりします。それが通用しなくなったということに、私は白鵬の衰えを感じました。そして琴奨菊の大関陥落。これは、残念ですが当然の流れだと思います。来場所は4横綱2大関。この6人のうち、来年の初場所を現在の地位で迎えることができる力士、何人いるでしょうかね。

    3.新興勢力の台頭

    逆に、新しい芽が伸びてきたことを感じる場所でもあったと思います。特に活躍著しかったのが、高安と御嶽海の両力士。私は、次の大関候補の筆頭は、高安関であると思います。先場所こそは7勝で負け越したものの、三役で二けた勝利3回の実績は立派。今場所関脇で何とか7章に踏みとどまった正代関と御嶽海関は、来場所にその真価が問われると思います。また、新入幕の貴景勝や、復活の兆しをみせた逸ノ城、幕下の貴源治など、楽しみな若手の台頭も目立ちます。

    今場所は、大きく勢力図が変わるきっかけの場所となるかもしれません。稀勢の里の土俵入りを楽しみにしながら、来場所も楽しみたいと思います。