• 大相撲7月場所雑感

    こんにちは
    驚きの幕引きでした かわさき屋店主 川﨑です。

    さて、昨日まで開催されていました大相撲7月場所。本来であれば、名古屋での開催でしたが、コロナ禍もあり国技館での開催。今回は観客も入れての本場所でした。歓声こそ上がらないものの、拍手喝さいの中本場所が行われていました。やはり観客はいると盛り上がりますね。というわけで、個人的に感じたことをピックアップ。

    1. 照ノ富士優勝
    いやー、驚きました。正直、二桁は固いと思っていましたが、まさか優勝できるとは。一度序二段まで落ちて、そこからの復活劇。大関に上がったばかりの照ノ富士、はっきり言ってヤバいくらいに強かった。稀勢の里最盛期に、稀勢得意の左差しになったにもかかわらず圧倒した相撲で、照ノ富士時代の到来を感じたものです。しかし、そこから膝を壊し、内臓を壊しと悲劇の連続。それでもあきらめずに這い上がり、栄冠をつかんだというストーリー。はっきり言って漫画を超えましたね。実際、先場所以前から復活の予感はありました。1月場所は13-2で十両優勝、先場所は十両で10勝と、それなりの結果。十両で10番以上勝てる力士って、結構幕内下位で二桁勝てるんですよね。さらに言えば、長く休めばその分膝もよくなりますし。それにしても、まさか優勝とは。大関朝乃山との一番は、お互い右の相四つ得意での右四つで、先に上手取っての圧倒。関脇正代には敗れるものの、千秋楽、関脇御嶽海は、浅い位置での両上手で、一気の寄りで万全の相撲でした。少なくとも今場所の相撲は、三役程度の実力を取り戻しているとみていいんじゃないかなと思います。膝の状態があるので、再びの大関は厳しいかもしれませんが、年齢もまだ28歳。もう一花咲かせる気持ちで頑張ってほしいですね。

    2. 大関昇進レース
    関脇の正代・御嶽海、小結の大栄翔がそろって11勝。三役での二けた勝利は、大関昇進の起点になります。年齢も28・27・26歳と、十分脂がのってきている年。両関脇は、以前から将来を嘱望されてきた力士。大学相撲のエリートとして、順調に出世してきました。ただ、正代は三役に上がっては落ちる、典型的なエレベーター力士。御嶽海も、なかなか二桁勝ち切れず、朝乃山に先を越されてしまいました。特に御嶽海。三役にずっと定着していながら、好角家の期待に応えきれなかった部分があります。2横綱も晩年に差し掛かり、貴景勝も怪我の影響から抜けられない。そういった中で、向こう二場所で結果が残せるのか。そして、小結大栄翔。正直、全くのノーマークでした、もう、幕内に4年間定着している力士ですが、今年三役初出世。今場所は三役二場所目にして二けた勝利を挙げました。正直、幕内中位で勝ったり負けたリの印象が強かったので、この結果に驚きです。一皮むけたのか、ただのフロックか。来場所で真価が問われそうです。この三人の中では、やはり可能性高いのは御嶽海かな。優勝経験もあるなど、やはり実績は頭一つ抜けてる感じ。それでもやっぱり期待したいのは高卒力士の大栄翔。朝乃山も同じ年で一気に実力をつけ、ブレイクしました。もしかすると大栄翔もいけるかも!?

    3. その他
    琴勝峰、前半は調子よかったんですけどね…。中日までで6-2と、二桁いけんじゃね?って感じでワクワクしてたんですが、後半息切れして、終わってみたら8-7。先場所12勝で十両優勝していますし、2桁勝てるだけの実力はあると思っていたんですがね。やはり幕内、大きな壁があったとみていいんじゃないかと。ただ、今が伸び盛り。部屋の幕内力士も充実していますし、良い稽古を積んで来場所活躍してくれることでしょう。対照的に、兄弟子琴の若は、怪我も祟って休場含んだ負け越し。再出場させるのは如何なものかと思いましたが、親方の判断ですしね。来場所は十両に戻りますが、再起を期待したいです。そして、来場所幕内に上がってこれるかどうか微妙なところにいる豊昇龍。今場所十両で二桁勝って、優勝決定戦に進みました。来場所、多分十両だと思いますが、ここで優勝すれば、先を行っている琴勝峰に追いつけるような気がします。そして忘れちゃならない琴恵光。初の幕内二けた勝利で、来場所は幕内中位くらいまで番付上がるかな。横綱大関と相撲を取る位置までもう少しなんで、頑張って上に上がってほしいものです。

    やっぱりお客様が入っているプロスポーツは見ごたえがあるなと感じました。
    9月場所も観客有で開催されることを願って、楽しみに待ちたいと思います。