店主の日記
  • 切干大根の市場規模について

    こんにちは。
    大根の成長具合に一喜一憂しています かわさき屋店主 川崎です。

    かわさき屋が全国に向けて販売しています切干大根。栄養成分が豊富で、うまみもあり、お手軽に使っていただける商品であると思っています。実際、店主川崎、食卓に週1くらいの頻度で、切干大根が並びます。が、正直、皆様そこまで切干大根、召し上がっていただけていないのではないかと思います。

    では、実際、データで見てみましょう。

    日本で最も食されている野菜、ご存知でしょうか?実は、切干大根の原料になる、大根なんです。
    平成24年のデータですが、年間生産量、なんとおおよそ147万トン!!年間、生まれたばかりの赤ん坊から100歳を超えるご老人まで含め、一人当たりおよそ12㎏の大根を食べている計算になります。改めて計算すると恐ろしい数字ですね。確かに、おでんや煮物だけでなく、サラダや大根おろし、地味なところだと刺身のツマなど。本当にありとあらゆるシーンで出てきますね。
    対して、切り干し大根の年間生産量。同じく平成24年の数値で、およそ2,600トンです。なんと、大根の1/600くらいの量しか作られていません、一人当たりの消費量に換算すると、なんと年間21g…。なんと、一生のうちで、1.7㎏程度しか切干大根、食べない計算になります。私、月に200gくらい切干大根使います。大体3割くらいが私の腹に収まりますので、2年半くらいで、普通の人の一生分食べている計算になります。

    私、ブログ書きながら、現状にびっくりしました。いやー、皆さん、食べていないですねー。

    ただ、一家族30gの小袋を、月に1回買っていただけたら、たぶん消費量、激増するでしょうねー。
    これからも、レシピ提案なんかを中心に、皆様に、もっと切干大根を身近に感じていただけるよう、精進する必要があるなーと感じます。


    気象災害と農業

    こんにちは。
    最近は天気がおかしいですね かわさき屋店主 川崎です。

    切り干し大根、3年前くらいから生産量に異常が出ています。ということで、一昨年、昨年と、二年連続で価格が上昇しています。概ね、3年前と比較して、切り干し大根の価格、小売りベースで50%くらい上昇しているのではないでしょうか。今秋から今冬、天気が良くて切り干し大根の趨勢も回復してくれれば、またお買い求めいただきやすい価格に戻せると思うのですが…。まぁ、予断でお話をするのはこの辺までで。

    さて、昨日、東北地方から北海道にかけて猛威を振るった台風10号、いまだニュースを賑わせています。正直、台風慣れしている九州民からすると、なぜあの程度の規模の台風で?となるかもしれませんが、ニュースなどから状況を紐解くと、災害頻度とそれに対するインフラ整備の観点から、ああなるのも納得な状況なんだろうと。
    そして早速、農作物へのダメージの報道も。

    http://ur2.link/yasT

    といったところで、たぶん私たちの生活に大きくかかわってくるであろう点、じゃがいもが大ダメージを受けているようです。また、スイートコーンもですが、甜菜なんかは、こだわって加工品を作る、中小零細の食品加工業者にとっては、非常に大きなダメージになるんじゃないでしょうか。

    切り干し大根におきましても、一昨年は、播種の時期に台風が連発したために、芽が出なくなって、最終的に例年の6割程度の生産量になりました。昨年は、エルニーニョ現象からくる暖冬で、冬場雨が多く、大根を干し切らず、やはり例年の7割程度の生産に落ち着いてしまったという状況でした。なんとなくですが、ここ数年、いろいろな作物が高くなっているという報道を耳にします。
    生産現場の傍らで仕事していて思うことは、今の状況が常態化すると、『安価で国産作物が手に入る時代は終わる』可能性があるということです。気象の不安定化に加え、生産者の減少も全国的に起こり、もはや安定的な供給体制は維持できないのではという懸念があります。

    気象に関しては、個々の力ではどうしようもありません。しかし、生産者数の確保に関しては、私たち流通業者、そして、消費者の皆様の理解で、何とかなる点もあるかと思います。政策面で、農業所得を増やそうという取り組みが活発に議論されています。かわさき屋といたしましても、流通コストの削減・小売り現場での展示の提案などから、微力ではありますが、全力を尽くして、安定的な生産現場の確保に努めたいと思います。


    日々のご愛顧 誠にありがとうございます。

    こんにちは。
    本日より5期目突入 かわさき屋店主 川崎です。

    2012年9月3日に登記いたしました弊社かわさき屋。本日でようやく5期目のスタートとなります。
    起業して5年以上残る会社は15%程度と言われています。5期目となる今季、今年一年は、本当に勝負の年になってくると感じています。
    起業してからの4年間は、本当に、これまで過ごした37年少々の中で、最も内容の濃い4年間でした。嬉しいことや感動したことなど、多々ございましたが、それ以上に苦しいこと、悩んだこと、くじけそうになったことが多かったと思います。そういったものを乗り越え、5期目に至ったということは、これもひとえに、私にかかわってくれたすべての方のおかげだと思っています。

    開業前からお世話になっている、先輩経営者の皆様のアドバイス。
    開業前から、変わらぬ取引を続けていただいたお客様。
    展示会や商談会、小売店などでで目にとめていただき、弊社の商品を気に入ってくださったお客様。
    セミナーなどで一緒になり、私の知らない知識を教えてくださった講師の皆様。
    共に学んで切磋琢磨してくれた仲間たち。
    よい時も悪い時も、私のことを応援してくれる家族や友人たち。
    共に汗をかき、知恵を絞り、全力で商品とお客様に向き合う従業員一同。

    他にも、書ききれない皆様のおかげで、明日からの5期目を迎えることができることに、この場を借りて、改めて感謝申し上げます。

    幸い、弊社の商品を、私が当初想像していたよりも多くの方々に気に入っていただいていると感じています。開業当初、かなり厳しめの、5期分の売り上げ計画を立てましたが、早くも4期目でその数値を達成でき、5期目はより高いところを目指すことができています。

    これからも私川崎、そしてかわさき屋は、全国で弊社の商品を手に取ってくださるお客様のため、地域の発展のため、従業員の幸福のため、全力で業務に取り組んでいく所存でございます。
    これからも変わらぬご愛顧のほど、そして、ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。


    宮崎県の雇用と給与と最低賃金と…。

    こんにちは。
    賃金の上昇圧力は、ありまぁす(小保方風) かわさき屋店主 川﨑です。

    さて、いきなりですが、わたくし川崎、起業するうえで、いくつかの目標と志がありました。その一つが、『宮崎に良質な雇用を』というものでした。私が宮崎に戻ってきてから、最初に就職した会社。毎日サービス残業当たり前。繁忙期は休みなし(27連勤とか普通)。休日は広島時代の75%、給料は広島時代の60%。ちなみに、最初の約束とは、雇用条件がびっくりするくらい違っていました。できたばかりの会社だから仕方なかったとしても、経営者となった今でも、『ないわー…。』と思ってしまいます。

    これはちょっと特殊な例かもしれませんが、各種初任給や平均給与などから推察するに、労働者の立場からみた宮崎の雇用、他県と比較すると、非常に条件が悪いと思います。高校卒業した後、4割以上の学生が県外に就職する現状も納得です。そんな状況で、優秀な学生や、Uターンを希望している県外労働者、宮崎で働こう!!と思うでしょうか。

    従業員に対する給与、コストではなく、投資として見ていきたいというのが、私の考えです。全国的に見て普通の給与を払うことで、やっと全国的に見て平均的な従業員を雇える。そうすることで、全国の同業他社と、ようやくスタートラインが同じになるという考え方です。特に弊社のような小さい企業は、人こそ最大の戦力。最大の戦力に最大限の投資をして初めて、十分な売り上げを上げることができるのではないかと考えています。

    私の目標としては、大卒新人が、弊社で33年働けば、パートの奥さんと二人で、子供3人何とか県外の国公立大学へ通わせることができるくらいの給与を得ることができる職場を目指しています。そして、経営者の皆様に対して、給与をある程度高めに支払ったほうが会社として儲かる!!といった認識を広めることで、宮崎の雇用状況の改善に、一石を投じることができればなーといった希望を持っています。

    なんだかんだで宮崎県が大好きな私です。宮崎で働きたい!!と思っている皆様が報われる状況を作る一助ができれば、それは何よりの喜びでございます。


    持続可能な農業について

    こんにちは。
    天候に左右される商売は大変です かわさき屋店主 川﨑です。

    さて、今回は真面目な話。

    農業生産人口の高齢化が議論されて久しいです。農業の現場が商売に直結するかわさき屋、現状の厳しさ、いやというほど感じています。以前も記事にしたと思いますが、正直、10年後、20年後の日本の食糧生産、このままでは、危機的な状況に陥ることは確実だと思います。

    農業というのは本当に厳しい仕事です。日が昇る前から仕事をはじめ、深夜まで仕事をする。休みなく、年中農業に携わり、それでやっと飯が食えるような状況。といった生産者も珍しくありません。原因は簡単で、生産価格が安定せず、所得の向上が難しいからです。豊作になれば相場が下がり、いくら仕事をしても、資材代金を回収するのがやっとだったり。また、不作で相場が高くても、収量が低く、やはり所得が安定しない。頑張っても報われない親を見て、跡を継ぐ子供というのはなかなかいないでしょう。そういったことで、後継者不足に陥り、現状がある。という風に私は理解しています。

    政府も6次産業化や補助金など、様々な対策をとっていますが、実際には効果は表れていないのが現状となっています。

    持続可能な農業の構築のためには、やはり生産者が安定した収益を上げる体制を構築することが、難しく、でも確実な手段であると思います。某農業団体に頼る、昭和から続く農業を、いまだに実施しているようでは、正直先は見えないのではないでしょうか。

    私も農業に携わる一員として、如何に生産者に対し、安定した状況を提供していくか。それと同時に、如何に消費者ニーズにあった商品を提供していくか。現在、それに沿った計画を構築中です。生産者、販売者、消費者が手を取り合い、食品生産現場を、安定して続けることができる環境を考えていきたいなと考えていくことが、私たち業者の使命なのではないかと考えています。

    国や自治体、大きな団体に頼るだけでなく、自力でできる限りのことをやっていきたいと思います。